どうすれば四天王系イベントは面白くなるのか

1.四天王系イベントとは

まず、四天王系イベントについて定義させてもらう。

四天王イベント:
「〜〜のために四天王を倒さなければならない」といった類の、
同系列のイベントを複数回プレイヤーに強制するイベントの総称。
これは何も四天王に限った話ではなく、たとえば
「四大精霊に会え」「三種の神器を集めろ」「6大魔王を集めろ」
といったものも含まれる。


2.ユーザのデメリット、製作者のメリット。

さて、この四天王系イベントのユーザに対するデメリット、
および製作者に対するメリットを述べる。

まず、ユーザに対するデメリットとしては、
①同じことを何度もやらされている退屈感
②数字が見えていることによる作業感
が挙げられる。他にもあるかもしれない。
すなわち、「今3匹倒したからあと3回同じことをやるのか」
「えー、今から4回似たようなことをやるの?」
というダルさである。

逆に製作者側のメリットについて述べる。
①テンプレートの使い回しが可能
②ボリュームの水増しが容易
③モジュール的な考え方ができる
この3点かと思われる。他にもあるかもしれない。
すなわち、ちょっと設定を変えるだけで
シナリオなどの展開を強く捻る必要もなく、
しかもその部分のシナリオをいじっても全体に全く影響のない、
そういう似たようなイベントをぽんぽん作れるのだ。

たとえば、4大精霊を考えてみると
[大筋の流れ]→{精霊イベント→{精霊1のイベント}→{精霊2の〃}
→{精霊3の〃}→{精霊4の〃}}→[大筋の流れ]

この様な流れにおいて、精霊1〜4のイベントはそれぞれが
シナリオ的に独立、またゲーム本筋からも独立しており、
最悪別にこれらのイベントはごっそりなくてもいい。
非常に柔軟性を持たせることができる。
作る側にとって大きなメリットがあると考えられる。
ってか僕はそうだった。
こういうイベントも考えたけど時間ないし省くか、だとか
もうちょっとボリュームを持たせたいな、とシナリオ側から考えたとき
非常に融通が利くしさくっと作れてしまうのは大きい。


3.どうすれば四天王系イベントは面白くなるのか

とはいえ、それは製作者側のエゴであり
それをユーザーに押し付けるのはいいことではない。
そこで、四天王系イベントを使う場合は
ユーザーに「四天王系イベントを苦に思わせない」
あるいは「四天王系イベントと意識させない」
配慮が必要だと考えられる。
ここでは、適当な例を挙げてその部分について触れる。

個人的に四天王系イベントを苦にさせない演出で
上手いなと思っているのはロマサガ2のフリーシナリオシステムである。
何がすごいかというと、これら四天王系イベントと他のイベントを
「完全に同列に置く」ことでユーザに大きな自由度を与えた点である。

これが通常のゲーム内における四天王系イベントであるのに対し

フリーシナリオシステムではこのように完全に他のイベントと
同列の扱いをしている。
四天王系イベントを全てこなさないとクリアはできないが、
クリア以外のことならできてしまうのである。
この点でユーザは作業感を感じることなくプレイできている。

余談だが自身のサークルで作ったNMR(http://shop.melonbooks.co.jp/shop/sp_213001009799_ycubed_nmr.php:あ、好評委託中なんで買ってね☆
というADVゲームではこれに似たような形で
四天王系イベントを入れることにした。
すなわち、掘るという大前提の中で、他のアイテムと
四天王系イベントのアイテムをほぼ同列に扱った。
結果的に上手く転んだのかはあんまりよく知らない。
誰か四天王系イベントだと思ったりだるさ感じた人いたら教えて。

次に、四天王系イベントを意識させない方法については
四天王系イベント自体を隠してしまうことが考えられる。
すなわち、「後から考えてみれば四天王系イベントだったね」という
感じにしてしまうのである。
これのメリットは、あまり複雑なことを考えなくても
わりと簡単に実現できる点であり、
デメリットは「気付かれるまでしか意味がない」ということである。

(あ、こっから軽いシュタゲネタバレ入ります、8章までのネタバレ)
















たとえば今僕がやってるシュタインズゲートでは
未来を変えるために仲間たちが変えた過去を1つずつ元に戻す
という展開が途中で入っている。
最初は特に「未来を変えるためにメンバー全員分同じことを繰り返すよ!」
などとは言わずに四天王系イベントにさらっと入っていったのでよかったが、
途中で僕は気付いてしまったので
「あ、これを全メンバー分繰り返すのか……」と思ってて
今すごいやる気が減っている。
このように「ユーザにいかにバレないか」が隠すときには重要であるため
こちらはこちらでそれなりに難しい気もしてくる。

4.結論

四天王系イベントはやはりどう頑張っても水増し、あるいは
作業感を感じさせてしまうものであるためにできれば除きたいし、
一ゲームプレイヤーとしても大変除いてほしい。
しかし製作者側にとっては非常に便利で頼りになる存在である。
そのため、いかにしてユーザが四天王系イベントを苦痛に感じないように
するかが使用時のもっとも重要な点だと思う。